アンチ「年寄りの味方」で大躍進の国民民主党 家計に優しい政策…裏には「今回の選挙で見せなかった」顔が

文章正文
发布时间:2024-11-30 14:56

 10月31日に自民党と幹事長会談に臨んだ国民民主党。衆院選で与党が過半数を割った今、この先の政権運営でカギを握る存在として脚光を浴びる。衆院選で獲得した議席数は改選前の4倍の28。比例代表の得票数は300万票超も上積みした。そんな国民民主は選挙中、家計思いの姿勢を打ち出したが、実は別の顔も持つ。それでも躍進した背景をどう捉えるべきか。 (宮畑譲、森本智之)

◆比例は「358万票」増え前回比2.4倍

 衆院選で躍進した国民民主。有権者の目にどのように映っていたのだろうか。31日、東京都千代田区の日比谷公園で聞いた。

取材に応じる国民民主党の玉木雄一郎代表=10月27日、東京都新宿区で

取材に応じる国民民主党の玉木雄一郎代表=10月27日、東京都新宿区で

 昼時、ベンチでくつろいでいたのが埼玉県蕨市の男性(46)。「自民党に入れたくなかった」といい、投票先は立憲民主党の候補だった。対して国民民主は「自民に対抗するイメージは弱かった」。日本維新の会に投じた男性会社員(36)は「政治が何か変わればと思うが、国民民主では普通な感じ」。千葉県の男性会社員(40)も「国民民主のイメージ…あんまりないね」と漏らす。

 強烈なインパクトというわけではなかったようだが、それでも国民民主は勢いづく。議席数は選挙前の7議席から28議席へ4倍に。顕著なのが比例代表の得票数。自民が前回から533万票減で、立民はほぼ横ばいだった一方、国民民主は358万票増で、前回比約2.4倍となった。

◆若い層には2大政党への嫌悪感

 選挙のキャッチフレーズは「手取りを増やす。」。ガソリン代や電気代の値下げ、社会保険料の軽減、消費税の税率引き下げ、年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」の178万円への引き上げなどを公約に掲げ、家計思いの姿勢を打ち出した。

日本記者クラブ主催の党首討論会で発言する国民民主党の玉木代表=10月12日、坂本亜由理撮影

日本記者クラブ主催の党首討論会で発言する国民民主党の玉木代表=10月12日、坂本亜由理撮影

 玉木雄一郎代表は公示日の第一声で「庶民感覚を持った政治家を選ぶのか、既得権益にしがみつく政治家を選ぶのか」とアピール。若い当選議員が目立ち、30〜50代が多くを占めた。

 政治ジャーナリストの鮫島浩氏は「20〜40代の有権者は2大政党は高齢者、経済界の味方と思っている。自民も立民も増税のイメージがあり、相当な嫌悪感がある。自民にも立民にも入れたくないという人の受け皿になった」と語る。似た見解を示したのが政治ジャーナリストの藤本順一氏。「現役世代の手取りを増やそうという訴えは、惰性で自民に投票してきた保守的無党派層にも訴求した」

◆電力など労組が基盤…「原発推進」

 国民民主の誕生のきっかけは2017年の衆院選。希望の党の立ち上げとともに、旧民主党の流れをくんだ民進党は分裂。立民に参加しなかった議員で結成した。希望の党を旗揚げした東京都知事の小池百合子氏とは今も関わりがあり、今年7月の知事選で支えた。

希望の党の両院議員総会を終え、手を取り合う玉木雄一郎代表(中央右)、小池百合子氏(同左)と党執行部メンバー=2017年11月14日

希望の党の両院議員総会を終え、手を取り合う玉木雄一郎代表(中央右)、小池百合子氏(同左)と党執行部メンバー=2017年11月14日

 その国民民主は、大手企業の労組が支援組織の中核をなす。電力総連もその一つ。原発は推進の立場だ。藤本氏は「玉木氏を中心に若い人が興味を持つ内容をSNSなどで配信した。今回の躍進は労組の影響力だけではない」とみる。

 衆院選で自民、公明党が得た議席数は215、立民は148。いずれも過半数の233に届かず、国民民主が政局のキャスチングボートを握ることに。一部で「連立なら玉木首相」説まで報じられた。

◆代表が「自民のアクセル役になりたい」

 では今後、どう振る舞うべきか。鮫島氏は「連立入りすると、自民に取り込まれ、一体化したとみなされる」と断言する。年末の税制改正、来年度の予算編成と続く政治日程の中で「自民に政策をどんどんのませて実現できれば、勢いは続くだろう」と予測する。

 今回の衆院選で国民民主は家計に優しい政策を打ち出したが、別の顔を持つ。

 例えば自民との近さ。そもそも玉木氏は同郷で自民党の大平正芳元首相を目標にする。トリガー条項凍結解除を巡って2022年、岸田文雄首相(当時)が解...

残り 1547/3093 文字

「東京新聞デジタル」スタート
この記事は会員限定です。

無料会員に登録する

有料会員に登録する

ログインして続きを読む

有料会員に登録すると   会員向け記事が読み放題   記事にコメントが書ける   紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)  

※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。

会員登録について詳しく見る

よくある質問はこちら

【関連記事】石破首相と国民民主が「ぴったり一致」した3項目…玉木代表が言及 「禁止」じゃないから「部分連合」アリ?
【関連記事】新浪剛史氏「財政がバラマキにならないように」 国民民主との部分連合案に 「年収の壁」引き上げには反対
【関連記事】日銀の利上げ戦略、国民民主の「高圧経済」がブレーキに? 植田総裁「政策的な動きが影響する可能性」

なるほど! 0

記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。

新規登録

ログインする

大切だね 0

記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。

新規登録

ログインする

もやもや… 0

記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。

新規登録

ログインする

もっと知りたい 0

記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。

新規登録

ログインする

カテゴリーをフォローする

印刷する

リンクをコピーする

コメントを書く

ユーザー

してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。

コメント機能利用規約

もっとみる 23件

コメントを投稿しますか?

キャンセル 投稿する

コメントを削除しますか?

キャンセル 削除する

削除しました。

閉じる

送信しました。

閉じる

管理者へ報告

コメント機能利用規約に違反していると思う理由を選択し、内容をお知らせください。

報告する理由

内容の詳細

0 /150文字

キャンセル 送信する

コメントを投稿しますか?

キャンセル 投稿する

投稿を受け付けました。

閉じる



おすすめ情報

こちら特報部の新着 記事一覧

首页
评论
分享
Top